2744.今日の植物(2227):ミクロビオタ
ミクロビオタは、ヒノキ科 Microbiota 属(ミクロビオタ属)の植物で、この属に分類される種は切手に取り上げられているMicrobiota decussata種の1種だけという、1属1種の植物です。
ウイキペディアの情報によりますと、このMicrobiota decussata種は、極東ロシアのSikhote-Alin(シホテアリニ)山脈の限られた地域の固有種だということです。
面白い情報がありました。
この種は1923年に発見されたのですが、当時のソビエト政府の方針でその情報は50年にわたって対外的に秘密とされていたのだそうです。なぜこの植物の発見が秘密にされる必要があったのか、ということについては情報はありませんでしたが・・
この種は、公園や庭園で常緑の樹木としてよく利用されているということです。乾燥や寒冷な気候にも強いところが買われたのだと思います。また葉は、冬季に褐色になり枯れたように見えるものもあるのだそうですが、それも春には再生するということです。
属名のMicrobiotaは、micro(小さな)+ Biotaから来ています。このBiotaはかつてBiota orientalis(現在はPlatycladus orientalis:コノテガシワ)とされていた近縁の植物のことだということです。
写真です。手元にありませんでしたので、ネットから借用しています。
ウスリーヒバ Microbiota decussata
●柔らかに広がっているところから、Siberian carpet cypressと呼ばれています。
切手です。和名ではウスリーヒバと呼ばれています。
ウスリーヒバ Microbiota decussata
2013年 ロシア発行(針葉樹の実)
●この切手は次のセットで発行されました。⇒切手植物図鑑
2743.今日の植物(2226):パラキウム
パラキウムは、アカテツ科 Palaquium 属(パラキウム属)の植物で、The Plant Listには121の種名が挙げてありましたので、大きな属ということになります。
ウイキペディアの情報によりますと、Palaquium 属の植物は、インドから東南アジア、マレーシア、オーストラリアから太平洋西部の島嶼地域に分布しているということです。これらの分布地域の中でも、フィリピンおよびボルネオ島のマレーシア領の部分に多くみられるということです。
切手に描かれているPalaquium gutta種について情報がありました。それによりますと、この種は、40メートルにもなる高木で、なかなか有用な樹木のようです。
この木から採取されるGutta-percha(ガタパーチャ)と呼ばれる樹脂はゴム材として知られていて、特に水中で変質しないところから海底ケーブルの被膜として使われていたということです。この用途は、現在は高分子化合物にとって代わられたとのことですが、現在ではゴルフボールの外皮材として広く使われているそうです。
また、石鹸や蝋燭の材料にもなるということです。
写真です。切手に描かれているもう一つの種も一緒に掲載します。いずれも 手元にありませんでしたので、ネットから借用しています。
ガタパーチャノキ Palaquium gutta
パラキウム・ロストラツム Palaquium rostratum
切手です。
(左)ガタパーチャノキ Palaquium gutta
(右)パラキウム・ロストラツム Palaquium rostratum
2018年 マレーシア発行 2010年 インドネシア発行
(国立電信博物館) (地域の動植物)
●マレーシアの切手は次のセットで発行されました。⇒切手植物図鑑
最初、なぜこの植物が電信博物館の切手に描かれているのだろうか、と不思議に思っていたのですが、上記のようなことだと分かり納得したところです。
2742.今日の植物(2225):ステレコカルプス
ステレコカルプスは、バンレイシ科 Stelechocarpus burahol属(ステレコカルプス属)の植物で、The Plant Listでは2つの種が挙げてあるだけという小さな植物群です。
ウイキペディアの情報によりますと、この属の植物はインドシナからマレーシアの西部から中部に自生する植物だとされています。
切手に描かれているStelechocarpus burahol種について情報がありました。
それによりますと、この種は、若葉が緑になるまでに薄いピンクから赤色に変わり、街路樹として使われているということです。また、ジャワでは栽培されて果実が食用にされています。果実は、ココナッツやパパイヤに似た香りがして、この果実を食べると全身がバラやスミレの香りがするのだそうです。なんとも魅力的な植物のようです。そのようなところから、口臭防止にも使われるといった情報もありました。
また、材は耐久性があり建築用にも使われるようです。
写真です。これもネットから借用しております。
ステレコカルプス・ブラホル Stelechocarpus burahol
切手です。
ステレコカルプス・ブラホル Stelechocarpus burahol
2010年 インドネシア発行(地域の動植物)
●この切手は次のセットで発行されています。⇒切手植物図鑑
同じ趣旨のセットは2008、2009年にも発行されています。あまり馴染みのない植物も見ることができるセットになっています。
2741.今日の植物(2224):オコウバカ
オコウバカは、ビャクダン科 Okoubaka 属(オコウバカ属)の植物で、The Plant Listには2つの種が挙げてあるだけという小さな植物群です。
ウイキペディアの情報によりますと、Okoubaka 属の植物は熱帯アフリカの西部および中部に自生する高木だということです。
この植物について最初に気になることはその属名オコウバカです。ウイキペディアにはその解説もありました。それによりますと、この属名はAnyin language(アニ語:コートジボワールを中心にガーナなどで使われている言語だそうです)で、「他の植物に悪影響を与える木」あるいは「死の木」というような意味合いを持った言葉から来ているのだそうです。
ウイキペディアには切手に描かれているOkoubaka aubrevillei種についも情報がありました。
それによりますと、この種はアフリカの西部および中央部の熱帯雨林に分布しており、知られているものでは最大の寄生樹木なのだそうです。
その寄生は半寄生と呼ばれるもので、他の樹木に寄生しながら自分でも光合成をするという特徴を持っています。寄生する相手の樹木として、Entandrophragma angolense(センダン科の植物でこの属は本ブログにも登場しています)やPericopsis elata(マメ科)、Pterygota macrocarpa(アオイ科)、Tieghemella heckelii(アカテツ科)(この3つの種はブログにも未登場です)など広く寄生しているようです。
この植物はマラリアなどの疾病に有効だとして民間では薬用に使われることもあるようですが、その効用については証明されてはいないとか。
写真です。ネットから借用しております。
オコウバカ・アウブレビレイ Okoubaka aubrevillei
切手です。
オコウバカ・アウブレビレイ Okoubaka aubrevillei
2005年 コートジボワール発行(絶滅危惧植物)
2740.今日の植物(2223):モナントタクシス
モナントタクシスは、バンレイシ科 Monanthotaxis属(モナントタクシス属)の植物で、The Plant Listでは変種も含めて63の種があげてありました。
ウイキペディアには短い情報しかありませんでしがた、それによりますと、Monanthotaxis属の植物は、アフリカ南東部およびマダガスカルの熱帯、亜熱帯地域に自生しているということです。
ネットで情報を探したのですが、切手に描かれているMonanthotaxis capea種についての短い情報を見つけましたので、ご紹介します。
その情報によりますと、アフリカの赤道周辺の多くの植物が絶滅したり、あるいは絶滅の危機に瀕したりしているのだそうで、このMonanthotaxis capea種もその典型的な例で、切手の発行国のアイボリーコーストの一か所だけで残っているという状態なのだそうです。この種が生きていた雨林地帯がなくなっていることが原因だとされています。
写真です。ネットから借用しております。切手に描かれているMonanthotaxis capea種のものがなく、他の種の写真です。
(左)モナントタクシス・カフラ Monanthotaxis caffra
(右)モナントタクシス・ピロサ Monanthotaxis pilosa
切手です。
モナントタクシス・カペア Monanthotaxis capea
2005年 コートジボワール発行(絶滅危惧植物)
●この切手と一緒に発行されたセットはこちらです。⇒切手植物図鑑
いずれもあまり馴染みのない植物が描かれています。切手に絶滅が危惧されている植物を取り上げるというのは良い試みだと思います。植物切手大国の日本ですから、同じような植物ばかり取り上げないで、そのような取り組みがなされるといいのですが・・・ぶつぶつ・・